入る前は、「職業訓練」というぐらいなのでもう少しゆるっとしているのかと思っていました。しかし、実際はちゃんとした「授業!」という感じです。座学中心で知識を詰め込むようなイメージがありましたが、実習もかなり多いです。思った以上にちゃんと「学校」でした。私はIoT科だったため、組み込みIoTができるまでの基礎単元からの勉強が始まります。
※2021年の入所体験記です。現在とは少し違うかもしれません。
住んでいる場所によってポリテクセンターの場所は変わるようなので、近くにポリテクセンターがあるかどうかはこちらから探してみてください
→職業能力開発促進センター(ポリテクセンター) |独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
第1編:入所前編
見学説明会・試験・面接・合格まで
第2編:入所編
初日の流れとクラスの雰囲気
第3編:授業・1日の流れ編
授業の雰囲気・時間割・勉強と就活のバランス
第4編:授業編 (この記事)
実際に学んだこと・大変だったこと
第5編:就職活動編 (次)
応募・面接・設計職への就職
第6編:就職後に振り返って思うこと
ポリテクセンターに通って変わったこと
ポリテクセンターの6か月の授業はこんな流れ
私の科(IoTの場合)
| 月 | 単元 | 日数 |
|---|---|---|
| 1カ月目 | アナログ電子回路 | 18日 |
| 2カ月目 | デジタル電子回路 | 18日 |
| 3カ月目 | シーケンス制御 | 18日 |
| 4カ月目 | C言語 | 18日 |
| 5カ月目 | 組み込みマイコン | 18日 |
| 6カ月目 | マイコンロボット製作 | 18日 |
前半は回路、後半はプログラム、最後に組み合わせるという感じです。
最初の1〜3か月は電気(回路)の基礎単元
私の科では、前半3か月で電気(回路)の基礎を学びます。
この知識が後半のC言語・組み込み実習につながり、最後に組み込みIoT制作へとつながる流れでした。
最初に学んだこと
「まずは回路とは何か?」「電気とは何か?」というところからです。
小学校や中学校に習ったような内容から始まります。
最初はここからなので、ある程度知識のある前提では始まらないので安心要素かと思います。
しかし、ペースは早いです。
授業は「まずやってみる」が中心なので、1つ1つをじっくり理解する時間はあまりありません。
そのため、「なるべく理解したい」という人は予習や復習の自習をしておくとよいです。
授業の進み方
理論は一通り学びます。
その後の実習にしっかり時間を使うという流れです。
ここをじっくりやります。
私のイメージでは、
座学3:実習7
ぐらいの感じです。
1カ月目のアナログ回路を例にすると、まずは先ほどいったような電気の基礎(理論)
・電圧=V
・電流=I
・抵抗=R
ここから始まり、オームの法則。(中学でやりましたね、すっかり忘れていましたが)
一通りこれらの計算をやってみて(ゆっくり取り組む時間はない)すぐに実習という流れです。
アナログ回路の勉強ではブレッドボードというものを使用して実際の回路を作るのですが、これをさわっている時間がほとんどでした。

小学校とか中学校だと、「オームの法則はこうです。」

「回路はこうです。」

「回路に流れる電流が0.05Aのとき、抵抗にかかる電圧Vを求めてください」
となるかと思います。
一方、ポリテクでは、
オームの法則はこうで

回路はこうです。

「じゃあこの回路を実際に作って本当にその値になっているか測ってみましょう」
という、実習がメインです。
実際に作れたら、テスターで実際の値を測って計算値と一致しているか確認するといった流れです。
この「座学3:実習7」の感じで、「アナログ回路」、「デジタル回路」、「シーケンス」と各単元1カ月ずつ取り組みました。
この頃に感じたこと
最初は電気の基礎から始まるので安心感はありました。
理論(座学)のペースはかなり早いという印象でした。
しかし、「まずやってみる」という感じだったので不安な気持ちは徐々になくなっていきました。
クラスの雰囲気
ペースは早いので、わからない部分はあります。
「では作ってみてください」となっても、できないことはよくあります。
そのため、周りに聞くこともあれば、周りから聞かれることもあります。
先生も実習ができているか見回ってくれているので、つまっていたら「ここをこうしたら」とか「これってこういうことですよね?ということは…?」的なヒントを言ってくれます。
難しい課題は複数人で話し合いながら完成させることもありました。
私は、この頃に「電気回路を作るのがおもしろい!」という感覚が芽生えました。
入所前はそこまで考えていませんでしたが、「こういう仕事ならやってみたいかも」と思うようになったのを覚えています。
急いで就職する気はなかったのですが、こういう仕事ならやってみたいかも…という心境の変化がありました。
後半の4〜5か月はプログラムと組み込み実習
手を動かす授業がさらに増えた
ここからはパソコンを使用する授業となるため、「座学2:実習8」ぐらいのほとんど手を動かす作業です。
4カ月目のC言語で使っていたのはポリテクで購入したこんな教科書でした。(C言語テキスト)
まずは各章の説明をサラッとしてくれます。
次は、章の合間に入っているプログラムを入力して動かしていきます。
その後、章のテーマに関する課題が出て、それは各々が考えて作成するといった流れです。
5カ月目の組み込みマイコンは、実際にマイコンを使用してプログラムを作ってマイコンを動かすということをしました。(ここで実際に動くところまでいきます)
組み込みマイコンはテキストではなくポリテクの用意してくれた資料で勉強していました。

難しくなってきたところ
この頃になると、「なんとなくできる」だけでは難しくなってきました。
動作がうまくいかなくても「電気回路」で完結していた。
出力結果がうまくいかなくても「プログラム」で完結していた。
組み込みマイコンでは、「電気回路」と「プログラム」に加えて「ハード」のどれに原因があるか探る必要があるため、難易度は高かった印象です。(うまくいったときはすごく楽しい)
クラスの雰囲気
この頃になると勉強の中身も濃くなっているので、訓練生同士で「やり方もある!」や「これでも動いた!」などの新しい発見もありました。
今考えるとですが、この頃には技術者的な考え方が少し育ち始めていたのかと思います。
このぐらいの頃にはみな就活も活発化していたため、欠席したら教えたり教えてもらったりということを自然におこなっていました。
同時に、就職が決まる人もこの時期には多く、クラスの人数は2/3ほどとなっていました(少し寂しい)
余談ですが、4カ月目のときに担任の先生が転職しました!(ビックリ)
転職市場に詳しすぎるのでは…と思っていた謎がここでとけました。
自分自身が就活をしていたから詳しかったのです!
めでたいということで感謝を伝え、見送りました。
ポリテクは生徒だけでなく先生まで次のステップへ羽ばたかせていました(なんて)
私はこの4カ月目には、訓練を通して「関連した業界へ就職しよう」という考えに変わっていました。
電気回路を作ったりプログラムを作ったりするのが楽しかったというのが大きいです。
これが仕事でできればな…ということで就職活動をこの頃から真剣に始めました。
6カ月目は今までの勉強の集大成
ここでゴールであり科の名前にもなっている組み込みIoT機器の制作が始まります!
・アナログ電気回路、デジタル電気回路、PLCの知識で回路を作成する。
・C言語の知識でプログラムを作成する。
・組み込みマイコンの知識で回路とプログラムをつなげる
これらを組み合わせて、動くものを作ります!
集大成感があります。ここがすべての勉強がつながり一番楽しかったです。
与えられた課題は、「リモートカーを作りましょう!」という課題。
リモートカーとは、リモートで動くラジコンのようなものです。
この課題には最低限必要な材料だけ最初の数日で与えられ、あとは自由実習でした。
一人で作成できる規模ではないため、班を2つに分けて各班で1つ作成します。(会社のプロジェクトのようですね、それが狙いなのか)
そのため、3週間にわたり今までの知識を総結集し、実際に動かすところまで完成させました。
とんでもない達成感がありました…通ってやりきってよかった。

後半は就職活動との両立
授業との両立は大変だったか
どちらも完璧にというのは難しいかもしれません。
やはり就職活動で訓練を欠席すると、欠席した部分が抜けてしまいます。
そのため、その部分を補うにはどうしても「自習」が必要となってきます。
自習をすれば、就活をしながら勉強にもついていくということはできます。
自習なしではペースも早く少し厳しいかもしれません。
就職活動が自然に始まる環境だった
やはり、「環境は大事」ということです。
私自身、入所前から就職に熱心だったわけではありません。
「お金をもらいながら勉強できる」ぐらいの感覚でした。
しかし、ポリテクで過ごしているとどうやっても就職に関する情報が入ってきます。
・先生からの求人の紹介
・就活に関するカリキュラム
・教室に貼っている求人情報
・他訓練生の就活情報
などなどです。
そのため、「周りもやっているしやるのが普通」の環境になります。
私の気持ちの変化
みなさん、初めて就職するときってどうでしたか。
私は、強い意志を持って就職活動はしていませんでした。
もちろん、人によっては夢があったり憧れたりした仕事があってそれに向けて学校を選んだり就職活動をしたりしたと思います。
しかし、そうじゃない人も多いような気がします(私がそうでした。)
私の高校では、周りは大学進学を目指しており、学校もそれを促すような仕組みになっていたため自然と「受験して大学へ」となっていました。
大学時代では、周りは就職活動をして企業への就職を目指しており、学校もそれを促すような仕組みとなっていたため、自然と「就活して企業へ」となっていました。
これでいくとポリテクは、周りは就職活動をして企業への就職を目指しており、学校もそれを促すような仕組みとなっているため、大学時代に近い仕組みなっています。
ポリテクには環境が就職へ引っ張っていってくれる力があると感じました。(私も恐らく引っ張られたタイプ)
6か月通って感じたこと
入る前は「職業訓練だからもう少しゆるいのかな」と思っていました。
でも実際はしっかり授業があり、手を動かしながら学ぶ「学校」でした。
大変でしたが、楽しい部分も多かったです。
6か月で「できること」が増えていく実感があり、やりきったことが自信となりました。
最後まで通ってよかったと思っています。
卒業のときに感じたこと
卒業のときは、「新しい生活が始まる!」というわくわくと不安、そして「ポリテクの生活が終わってしまうのか」という寂しい気持ちがありました。
同じ教室でみんなと授業を受けるのも最後だと思うと、少し不思議な気持ちでした。
「大人の学校」のような生活が終わるのは思った以上に寂しかったです。
私はその後どうなったか
私がどうなったのかというと、私は4カ月目から就職活動を始めました。
訓練を通して心境の変化があり、この頃から動き出したという流れです。
そして、5カ月目に未経験ながら「製造業の設計」で内定をいただいて、6カ月の訓練終了後にそのまま就職しました。(2026年現在もこの仕事を続けています。)
実際の就職活動や応募の流れについては、次の「就職編」でまとめています。
→ ポリテクセンター就職活動編|求人応募・面接・授業との両立体験談
ポリテクセンター体験記(全6編)
第1編:入所前編
見学説明会・試験・面接・合格まで
第2編:入所編
初日の流れとクラスの雰囲気
第3編:授業・1日の流れ編
授業の雰囲気・時間割・勉強と就活のバランス
第4編:授業編 (今ここ)
実際に学んだこと・大変だったこと
第5編:就職活動編(次)
応募・面接・設計職への就職
第6編:就職後に振り返って思うこと
ポリテクセンターに通って変わったこと


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